- 0.イントロダクション
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- 0.1 変容する社会の中で、科学とは?技術とは?イノベーションとは?エビデンスに基づく政策形成の必要性がうたわれるようになって久しい昨今、科学技術イノベーション政策の基盤となるべく、「科学技術イノベーション政策の科学」の必要性が認識され、日本では、2011年度に「科学技術イノ...
- 0.1.1 科学技術イノベーション政策とSDG0.1で紹介したように、社会的課題解決に向けて科学技術イノベーションの動員が期待されている。本稿では、国連が提唱し世界を巻き込んだムーブメントとなっている「持続可能な開発のための2030アジェンダ」(Sustainable ...
- 0.1.1 科学技術イノベーション政策とSDG
- 0.2 科学技術イノベーション(STI)政策とは何か
- 0.3 政策形成におけるエビデンスと「科学技術イノベーション政策の科学」エビデンスに基づく政策形成の必要性がうたわれるようになって久しい昨今、日本においても制度化に向けた動きが急速に始まっているが、課題も多い。政策形成におけるエビデンスとは何かについて概観した後に、「科学技術...
- 0.1 変容する社会の中で、科学とは?技術とは?イノベーションとは?
- 1.科学技術イノベーションのダイナミクス
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- 1.0 イノベーションとは何か
- 1.0.1 イノベーションとはそもそもイノベーションとは何であるのか。なぜイノベーションは重要であるのか。イノベーションとはどのような特質をもつ現象なのか。イノベーションを実現するためにわれわれは何に注目すべきなのか。これらの問いに答...
- 1.0.2 イノベーション・プロセスのモデル本節では、イノベーション・プロセスのモデルについて概説する。まず、情報のフローからみたモデルとして「リニア・モデル」と「連鎖モデル」を概観した後、イノベーションの決定要因からみたモデルを紹介する。 さらに...
- 1.0.3 イノベーション・プロセスをシステムとして捉える「ナショナル・イノベーション・システム」とは、イノベーションの中心的な担い手である企業が、政府、大学等のアクターとの間で形成するインタラクションを、一国におけるシステムとして捉えた概念である。この概念は、...
- 1.0.1 イノベーションとは
- 1.1 大学を源泉とする知の創出、知の移転
- 1.1.1 大学システムと大学組織のイノベーション大学は、教育・研究・社会サービスの多様な目的を抱えるとともに、様々な学問領域から構成される複雑な組織である。その複雑さゆえに、高等教育政策のみならず、科学技術イノベーション政策、産業政策の影響を受けるとと...
- 1.1.2 大学からの知の移転メカニズム大学は、教育と学術研究という従来からの基本的使命に加え、社会へのより直接的な貢献をいわば「第三の使命」として位置づけ、取り組むことが求められる。本節では、産学連携による大学から産業界への知の移転をテーマと...
- 1.1.3 大学発ベンチャー科学技術イノベーションのプロセスにおいて、研究を社会に還元する具体的な仕組みの一つが「大学発ベンチャー」である。米国では、大学発ベンチャー企業は、他のベンチャー企業に比較してパフォーマンスの高い企業である...
- 1.1.4 スター・サイエンティスト サイエンスとビジネスの好循環が新産業を創出する科学技術イノベーションの源泉となる基礎研究が、社会・経済に強烈なインパクトをもたらすという観点から、科学的発見から技術開発まで、様々な点で優秀な"スター"に着目することがキーポイントになる。ここで...
- 1.1.1 大学システムと大学組織のイノベーション
- 1.2 企業のイノベーション
- 1.3 イノベーションの普及と規制イノベーションに影響を与える様々な政策や制度は、イノベーションの種を作り出すもの、その種を管理し財産化し、流通させるものとともに、その種を社会に普及させ、イノベーションを実現するためのものが数多く存在する...
- 1.0 イノベーションとは何か
- 2.科学技術イノベーションのガバナンス及び政策形成プロセス
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- 2.0 STI政策とは何か
- 2.0.1 イントロダクション科学技術イノベーション政策のガバナンスの側面から、本章の趣旨を述べる。
- 2.0.2 STI政策の対象と手段科学技術イノベーション政策の基本的な政策手段について概説する。本文書は暫定版である。
- 2.0.3 科学技術イノベーション政策の正当性本章では、科学技術イノベーションのプロセスに対する政策的な介入が、どのような理論的根拠に基づいて正当化されてきたのかを概観する。
- 2.0.1 イントロダクション
- 2.1 STIガバナンス
- 2.1.1 STIガバナンスの構造本稿では、まず本稿における「ガバナンス」を定義したうえで、なぜSTIのガバナンスが必要とされるのかを論じる。STIのガバナンスが必要な要因には、1)STIが扱うイシューの特性と、2)STI政策がもつ複雑な構造が挙げられる...
- 2.1.2 STI政策プロセス科学、技術、及びイノベーション(STI)のための政策プロセスの特徴として、戦略の必要性、課題(アジェンダ)設定の重要性、空間的及び時間的な外部性の大きさ、ロー・セイリエンスが挙げられる。こうした要素を十分に踏...
- 2.1.1 STIガバナンスの構造
- 2.2 STIガバナンスの各段階におけるツール
- 2.2.1 STIガバナンスにおける意思決定のツール本節では、STIの社会導入における政策的意思決定で、「何を」「どのように」評価・検討し判断するのかについて論じる。 STIの社会導入上の政策的検討事項は、当該STIの社会定着度に応じて異なるため、STIの社会導入状況...
- 2.2.2 科学的助言科学的助言とは、特定の課題について妥当な政策形成や意思決定が行われるよう、科学者やその集団が専門的な知見に基づいて政策立案・決定者に助言することである。近年、多様な政策分野で科学的助言が不可欠となっており...
- 2.2.3 レギュラトリー・サイエンス科学と政策の間にはギャップが存在する。新規技術や新興感染症のように科学の側に不確実性が高い場合はとりわけ大きなギャップが存在する。新規科学技術が社会とコンフリクトを起こすことなく活用される、すなわちイノベ...
- 2.2.4 STI政策の評価とフィードバックSTI政策において、政策プロセスの各段階に求められる評価のあり方と政策へのフィードバックについて解説する。各段階における評価の役割や依拠するエビデンスは異なってくるため、事前評価・プロセス評価・事後評価のそれ...
- 2.2.1 STIガバナンスにおける意思決定のツール
- 2.3 STI政策執行におけるアクター間関係のガバナンス科学技術・イノベーション政策の一類型である科学、技術、および、イノベーションのための政策の中でも、 科学・技術を起点としたイノベーションの実現を目指した政策の執行には、産業界、省庁および独立行政法人、大学が...
- 2.0 STI政策とは何か
- 3.科学技術イノベーションと社会
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- 3.1 研究者コミュニティと科学技術イノベーション
- 3.1.1 研究者の責任と倫理的・法的・社会的課題(ELSI)科学研究を真理追究の理念に基づく知の生産と理解し、その社会的責任を生産の場面における品質管理(研究不正をしない)と把握するモデルは、冷戦の終了と共に見直され始めた。現在は、科学技術が生み出す知識が社会にも...
- 3.1.2 ビッグサイエンスと社会本稿は、科学技術イノベーションの一つとしてビッグサイエンスを取り上げることで、科学技術イノベーションと社会の関係を考える一つの手がかりを提供しようとするものである。ビッグサイエンスの定義の整理を試み、第二...
- 3.1.1 研究者の責任と倫理的・法的・社会的課題(ELSI)
- 3.2 社会からみたSTI
- 3.2.1 科学コミュニケーション その政策的展開と学術的研究の概観日本においては、科学や技術、イノベーションをテーマに、主に非専門家の人々を対象として行われるコミュニケーション活動が、「科学(技術)コミュニケーション」の名の下に政策を通じてここ十数年間にわたって推進され...
- 3.2.2 研究者コミュニティと市民が交わる場づくり研究者に求められる役割が多様になってきた。社会との対話が求められるようになっている近年、様々な場づくりの試みがなされてきた。それに伴って、研究者個々人だけではまかないきれない部分を、大学や研究機関が支援す...
- 3.2.3 リスクコミュニケーション マイナスな側面をどう共有してどう乗り越えるか科学技術コミュニケーションの構成要素は多義的であるが、そのうちのひとつが、リスク評価やリスク管理の過程において、そのマイナスの側面を関係者で共有し、乗り越えていくための考え方や方策としての「リスクコミュニ...
- 3.2.1 科学コミュニケーション その政策的展開と学術的研究の概観
- 3.3 科学の立場から見た社会
- 3.3.1 STIの社会へのインパクトこれまで、インパクトのある科学技術イノベーションが社会のあり方を大きく変えてきた。科学技術と社会の接点は増えてきたが、依然として科学技術の社会貢献・社会実装には長い月日を要している。社会を変化させるような...
- 3.3.2 科学技術の社会実装における共感的可視化(仮)20世紀半ば以降、ICTは、社会の様々な現象を可視化し、人々が意思決定を行う上で重要な役割を果たすようになってきた。ICTを用いて科学的なエビデンスを可視化することは、政策策定を含んだ様々な場面での問題解決に必要...
- 3.3.3 政策のための科学リテラシー9のステップ 科学技術・政策リテラシーを育むために行政官や研究者が領域横断的な社会問題に取り組む際、科学的な判断を実際の問題解決に結びつけることができる広範な能力が必要とされる。つまり、特定分野の専門知識に加えて、様々な物事を科学的に考えるための科学リテ...
- 3.3.1 STIの社会へのインパクト
- 3.1 研究者コミュニティと科学技術イノベーション
- 4.科学技術イノベーション政策の社会経済的インパクト評価
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- 4.1 STI政策における政策効果を把握するためのフレームワーク科学技術イノベーション政策は、政策による基礎科学、応用科学、技術開発研究推進の効果とその成果の社会実装による社会の新しい価値創造への影響を一貫性をもって把握し、戦略的に、社会の課題解決にむけて進めることが...
- 4.2 科学技術イノベーションの測定・評価指標
- 4.2.1 科学技術イノベーションに係る主な評価指標科学技術およびイノベーションの成立は長い時間を要する取り組みである。従来研究は事象あるいは科学領域を特定することで、定性的にその要因を解析することに主眼をおいていた。しかしながら、データベースの充実、オー...
- 4.2.2 インプットをとらえる科学技術イノベーションの測定・評価を主題とする4.2節の一項目として、本項では、科学技術イノベーションの“インプット”の測定や指標について述べる。科学技術イノベーションの“インプット”とは、科学技術イノベーシ...
- 4.2.1 科学技術イノベーションに係る主な評価指標
- 4.3 科学技術イノベーション政策効果の分析方法政策効果の分析とはある政策がもたらす効果を明らかにすることである。本稿では、政策効果の目的と現在よくつかわれている一般的な分析方法を概観し、その有用性について議論する。また、研究開発補助金政策を例にとり、...
- 4.1 STI政策における政策効果を把握するためのフレームワーク
- 5.科学技術イノベーション政策の歴史・海外情報
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- 5.1 イノベーションの歴史イノベーションが持続的に生み出されるようになったのは、歴史的に見ると、イギリスの産業革命以降である。ここでは、イノベーションとその担い手に注目して、産業革命の始まり、垂直統合の高い大企業の登場、そして、...
- 5.2 日本のSTI政策の歴史我が国においては従来原子力・宇宙の両分野が科学技術政策の大きな部分を占め、それが産業技術政策や学術政策と並立していたが、1995年の科学技術基本法制定以降、5年ごとに科学技術基本計画が策定されることとなり、科学...
- 5.3 米国のSTI政策の歴史米国においては、第2次世界大戦後間もなく連邦政府の科学技術推進体制の基本が確立し、特に1957年のソ連による世界初の人工衛星打上げ成功後のいわゆる「スプートニク・ショック」以降、科学技術への公的投資が急増した...
- 5.4 海外主要国の科学技術・イノベーション政策概論海外主要国の科学技術・イノベーションに対する政策について概観する。
- 5.1 イノベーションの歴史